今回は初心者の方が混乱しがちな「売りから入る」という仕組みについてご説明したいと思います!
FXをやっていると、気軽に「買い」「売り」両方から売買できるため、「上げ相場でも下げ相場でも収益チャンスがある!」ということで、投資チャンスが他の金融商品と比べて非常に多くあります。
ですが…この何気なくやっている「売り」注文。
「そもそも、自分が持っていないものなのになぜ売れるの??」と疑問に思ったことはありませんか?
今回はその疑問を解説します!
「持ってないものを売る」。この謎を解く鍵は、FX(通貨)には「自由な兌換性(だかんせい)」がある!という前提にあります!
「兌換」とは簡単に言うと「取り替える・引き換える」という意味で、「自由な兌換性」すごく簡単な日本語にすると「(FXで取引する通貨は)好きなように取り替えることができる」という意味です。
このままだと分かりにくいので例を出しましょう。おそらく大抵の読者の方が最も親しみ深い通貨「日本円」で考えて見ます。
「ちょっと喉が渇いたけど財布を家に忘れた」こういう状況になったので、友人から「100円」借りたとします。無事100円を借りてジュースを買うことに成功。喉を潤しました!友人には「100円は明日返すよ!」と伝えました。
さて翌日ですが、100円を友人に渡したところ「イヤ、これは昨日貸した100円硬貨じゃない!元通り返せ!!」といわれました!…これが、「兌換性が無い」という場合の例です。
つまり、「通貨や証券」に限っては「借りた現品」ではなく、「借りたものと同じ種類の同一品」を返すことで「返済した」と認められるわけです。意外と見落としがちですが、これが通貨や証券「以外」の場合、「同じ品でも借りた現品ではない場合」は厳密には「返した」と分類されませんよね。ここが「持ってないものを売れる」という取引の謎を解くカギです。
上記を踏まえた上で「持ってないものを売れる」という説明に戻りましょう!ここからはさらにシンプルにFXについてだけ解説します。
まず、売りからFXの取引をする(つまり持っていない通貨を売る)するプロセスは以下となります!
1:通貨の「売買在庫」もしくは「注文在庫」を各FX会社が抱えているところで売買を行う(これが通常の「口座開設」です)。
2:証券会社やFX業者の「保有在庫・注文」を借りてきて売る → これが「売り注文」を入れたときの処理です。今回は仮に借りてきたものが100円で売れたとしましょう。
3:市場で「売ったもの」を買い戻す →これが「決済注文」にあたります。90円で買い戻せたとしましょう。
4:借りていた証券・通貨を貸し手(証券会社・FX業者)に返還する →これは自動で行われます。
これが「売りから入った場合」の注文処理の流れです。2で借りてきたものが「100円」で売れ、3にて「90円で買い戻し」、4で返還します。この際売れた額と買い戻した額の差額が利益となります。
これが、「持ってないものを売れる理由」で尚且つ「値下がりしているにもかかわらず利益が上る理由」です。「兌換性」という部分さえ理解すれば、仕組みはすごく簡単ですね!
以上が「持っていないものを売る」という取引の仕組みと、価値が減額しているにもかかわらず利益を出す仕組みでした!
普段何気なくやっている取引も、構造を分解して考えてみるとなかなか面白いですよね!
一応今回は説明をかなり簡略化していますので、金融商品の種類によっては「少し違うかな」という部分もあります。ですが基本的な仕組みと利益が出る流れは変わらないので、運用の基礎知識として覚えておいて損はありません!